2022/10/26 13:39

〜亜紗のシアトル便り〜

皆さんお元気にお過ごしでしょうか?
ニュースでもご存知かと思いますが、アメリカ西海岸の大火災の影響でシアトルを含むワシントン州、オレゴン州は世界で最も大気汚染が深刻です。数日経てば風や雨によって綺麗になるだろうと言われていましたが、大火災も収まらず、日中でも薄暗く、煙臭く、外に出ると喉が痛くなります。外出はもちろん窓も開けられない生活が続いています。
この異様な光景は、子供の頃に見て非常に印象的だったSFの番組を思い出させます。空気汚染がすすんだ地球を去って、宇宙のどこかに移住する子供達の話です。窓の外を見るとその世界もSFでも無いような現実感さえ感じてしまいます。

さて、そんな環境の中ですが、黙々と作品ノート作りに励んでいます。作品ノートを付けていらっしゃる方も多いと思いますが、私が最近改良した事について書いてみたいと思います。

今までの作品ノートは、作りながら箇条書きした情報をパソコンに入っているテンプレートに打ち込み(手書きが苦手なので)、カメラで撮った写真をスキャンして添付していました。手間がかかるので、パソコンに打ち込む作業を怠る様になり、箇条書きのノートと写真とがバラバラに積もっていました。これを機会に、「なぜ作品ノートを付け始めたか、なぜ続けたいか」を改めて考えてみました。

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作品ノートを付け始めた頃は何をしても学ぶことが多く、コツを覚える為のノートみたいなものとして始めました。お誕生日やクリスマスプレゼントに手作りのものを交換する事が多い私にとっては写真も重要です。昔の作品ノートを見てもかなり細かい手順やノートに自分でもびっくり。料理用のレシピの様にそのまま作れば同じものが完成しそうです。でも、手間のかかり過ぎることは続かないのが現実です。

なぜ作品ノートを付けるか? 日記と同じ、自分の為です。過去に作った物を参考に改良したり新しいものを作れるからです。今回新しくつけ始めた作品ノートは、パソコンに情報を打ち直す事、写真を取り込むのは二度手間なので省きました。印刷したテンプレートに手書きで情報を書き込み、ここ数年米国で流行っている携帯プリンターでプリントした写真を貼り付けることにしました。携帯プリンターは2”x3”のシール式のHPプリンターを選びました。携帯で撮った作品があっという間にシールにプリントされ、すぐに貼り付けることができるのでとても便利です。

作品ノートの改良に取り組んでいる頃、ちょうどいいタイミングで雑誌、SpinOffのブログに"For The Record How to Maintain Good Spinning Notes" という記事が掲載されました。「記録用に効果的な紡ぎメモの取り方」と言う記事がブログに掲載されました。ご興味ある方はぜひこちらからご覧ください。

どんな事を文字情報として記録に残しておくと良いのか?
このブログでは、かなり詳しく残す事を勧めています。私はこのブログを参考に、「使用した道具」と「紡いだ方向」という項目を自分のノートにも加えました。これからも改良していくと思いますが・・・

まず、私の制作のカテゴリーは「編み物」「織物」「籠」「その他」に分けることができます。それぞれに特徴があるので、記録に残しておくことも違います。それぞれに基本フォームを作りました。

このブログでは、紡ぎに関する「編み物」と「織物」に絞ってご紹介します。(7月に改良し始めてから編み物には情報が加わわり、織物にはもっと自由にノートを付けられるように情報を減らしました。)


<編み物用>
作品の名前、日付(開始日〜終了日)、図案の名前、参考書、
糸の詳細:購入した場合はブランド、名前、商品番号、繊維、色、ply、使用メーター数、WPI、番手、価格。
紡いだ場合は上記に加え、利用した道具、繊維の準備方法、紡いだ方向:2本の双糸の場合例えばSSZ(単糸S撚り2本、Z撚り双糸)、紡ぎ方:紡毛、梳毛、セミ、等紡いだ時の繊維の準備方法:トップ、バッツ、コーミング等、編み棒のサイズ、ゲージ、仕上がりの寸法、作成中のノートこれに写真とあれば糸のサンプルを巻いて加えます。

ちくわ人形のセーターとズボンもブレンディングボードで混ぜて紡ぎました

<織物用>
作品名、日付、(始めた日と終わった日)織の組織、ある場合は参考書、使用した機、使用筬、経糸:経糸の計算と詳細を書く部分を残しました。
緯糸:経糸同様、計算と詳細を書く部分を残しました。
仕上げ方法縮:機での寸法、機から外した寸法、洗ってからの寸法。
かかった時間(織始めた頃の名残です、殆ど書き込む事が無いのですが時々頼まれて作成する時には時間を記入します。)作成中のノート裏は白紙なので図柄も書けます。これに写真とあれば糸のサンプルを巻いて加えます。


もう一つ私が記録しているのは紡いだ糸の記録です。未だ作品は決まっていないけれど紡いだ糸です。これは編み物の糸の詳細に似ています。繊維を購入したお店、繊維、重量、価格、繊維の準備方法、利用した道具紡いだ量、WPI、番手紡ぐ前の繊維の写真と紡いだ後の写真と一緒に写真用のアルバムに保存します。この記録が残っていれば、作品の制作にすぐに取りかかることができますね。

作品ノートはそれぞれ記録したい事が違うと思いますが参考になれば嬉しいです。私の作品ノートもこれからも日々改良を重ね、​失敗した作品からも学び、作品ノートを開いて見るのが楽しいものにしていきたいです。

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